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20%引きの後に20%上げても元に戻らない?割合の雑学【第7回】

値札と電卓で割合の変化を考えるAI生成イメージ

1000円の商品を20%値下げし、その後で20%値上げしたら、元の1000円に戻るでしょうか。答えは960円です。「引いた分を足したはずなのに」と感じる理由は、2回の20%で基準にする金額が違うから。身近な数学の雑学・第7回は、買い物の数字から割合を考えます。

この記事のポイント
  • 20%引きは0.8倍、20%増は1.2倍。続けると0.96倍になる。
  • 800円から1000円に戻すには、800円の25%を足す。
  • 「何の何%か」を確認すると、連続する割合を読み違えにくい。
目次

1000円で計算すると、変わるのは「20%の中身」

ここでは税・送料・端数処理を考えず、表示金額にその都度割合を掛けるものとします。1000円の20%は200円なので、値下げ後は1000−200=800円です。次に足す20%は、この800円の20%=160円。800+160=960円になり、最初より40円少なくなります。

1000円から20%引くと800円、さらに20%増やすと960円。棒の長さは金額に比例
2回目の20%は800円を基準に計算。本記事の計算に基づくオリジナル図解。

割合による値引きの基本は、元の価格に割引率を掛けて値引き額を求め、それを価格から引くことです。米ライス大学の教育プロジェクトOpenStaxも、この関係を説明しています。出典:Elementary Algebra 2e「Solve Percent Applications」(2026年10月4日確認)。この1000円の連続計算は、その考え方を使った本記事の例です。

sale price = original price − amount of discount

OpenStax, Elementary Algebra 2e, §3.2「Discount」

式の意味は「値引き後の価格=元の価格−値引き額」。同じ%の表示でも、掛ける相手が変われば金額も変わります。

同じ20%なのに、200円と160円になるのが面白いですね。「何円を基準にしている?」と考えると、すっと納得できます!

足し引きではなく「何倍か」に直してみる

20%引きなら、残るのは100%−20%=80%なので0.8倍。20%増なら120%なので1.2倍です。順番に掛けると、1000×0.8×1.2=960。0.8×1.2=0.96なので、全体では4%減ったことになります。

一般に、0以上1未満の割合rだけ減らした後、減った後の値を同じ割合rだけ増やすと、倍率は(1−r)(1+r)=1−r²です。r=0.2なら1−0.04=0.96。最初の値が正で、0<r<1なら、元の値より小さくなります。

800円を1000円に戻すなら何%増?

戻すには200円を足します。増やす直前の800円を基準にすると、200÷800=0.25。必要なのは25%増です。800×1.25=1000と確かめられます。

「1000円から200円減った」は20%減ですが、「800円から200円増えた」は25%増。同じ200円でも分母が違います。一般式では、rだけ減らした後に戻すための増加率はr÷(1−r)です。r=1、つまり100%減でゼロになった場合には、この式は使えません。

「20%引きからさらに20%引き」は40%引き?

2回とも、その時点の価格から20%引くなら、1000×0.8×0.8=640円。元の価格との差は360円なので、合計36%引きです。40%引きの600円とは異なります。実際のクーポンでは、併用条件・割引対象・端数処理も確認しましょう。

一方、「どちらの値引きも最初の1000円を基準に200円ずつ引く」という条件なら600円になります。計算の前に基準と適用順を読むことが大切です。

小さな確認問題:50%引きの後に50%増やすと?

1000円なら、半額で500円。その500円を50%増やすと750円です。元に戻すには500円をもう500円増やす必要があるので、100%増となります。割合の数字だけを足し引きせず、途中の金額を書いてみてください。

「身近な数学の雑学」これまでの回

出典は上記OpenStaxの割合・値引きの解説。具体例・一般式の展開・図解は本記事で計算しました。アイキャッチはAI生成イメージで、本文の数値図は計算に基づいて作図しています。

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