アイキャッチはAI生成のイメージです。数値や証明を表す図ではありません。
- 標準ルールなら、選び直すと当たる確率は2/3
- 司会者が答えを知り、必ずハズレを開けることが重要
- 最初の選択が当たりかハズレかの3ケースで整理できる
3枚のドアのうち1枚が当たり。1枚を選ぶと、司会者が残りのハズレを1枚開け、「選び直しますか?」と聞きます。残りは2枚だから五分五分に見えますが、標準的なモンティ・ホール問題では選び直す方が有利です。「身近な数学の雑学」第2回は、表を使ってこの違和感をほどいていきます。
最初に確認したい4つのルール
- 当たりは3枚のどこにも同じ確率で入っている。
- 司会者は当たりの位置を知っている。
- 司会者は毎回、選ばれていないドアの中からハズレを1枚開ける。
- 司会者は毎回、残った別のドアへの変更を提案する。
選べるハズレが2枚あるときは、司会者が等確率で選ぶものとします。「たまたまハズレが開いた」問題とは、ルールが違います。
考え方の参考:Wolfram MathWorld「Monty Hall Problem」(資料確認:2026年9月13日)。以下の具体例・計算表は本記事用に作成しています。
最初にAを選んだ場合を全部並べる
自分がAを選んだと決めて、当たりの場所だけを動かします。BもCも、最初はAと同じ1/3の確率です。表の「変更」は、司会者が開けなかった別のドアへ移ることを指します。
| 当たりの場所 | 司会者が開くドア | Aのまま | 変更する |
|---|---|---|---|
| A | BまたはC | 当たり | ハズレ |
| B | C | ハズレ | 当たり |
| C | B | ハズレ | 当たり |
そのままなら勝てるのは最初に当てた1ケース。変更すれば勝てるのは、最初に外した2ケースです。つまり維持は1/3、変更は2/3。司会者がどちらのハズレを開くかを細かく追うより、「最初に外していれば変更で勝つ」と見ると整理できます。

ドアの枚数だけ見ると半々に感じますよね。最初の選択に戻って考えると、すっと整理できるのが好きです。
なぜ残り2枚でも50%ずつにならない?
司会者は中身を知り、ハズレを避けるのではなく、ハズレを選んで取り除いています。この手順は情報を含んでいます。2つの選択肢が残っているという見た目だけでは、それぞれが同じ確率だとはいえません。
たとえば「最初の1枚で当てる」作戦と、「最初の1枚が外れる方に賭ける」作戦を比べていると考えてみましょう。後者が成功するのは最初に外した場合で、その確率は2/3です。司会者の決まった動きのおかげで、外れた場合には残る別のドアを選べばよくなります。
トランプ3枚で試す方法
- 当たり1枚とハズレ2枚を用意し、位置を混ぜる。
- 挑戦者が1枚選び、司会者は中身を確認して残りのハズレを開く。
- 挑戦者は毎回変更し、結果を記録する。
- 同じ回数だけ「毎回変更しない」作戦も試す。
数回だけでは維持の方が多く勝つこともあります。2/3は「3回なら必ず2回勝つ」という約束ではありません。実験は納得を助けますが、上の3ケースの整理が確率の根拠になります。
よくある疑問:どんなクイズでも変更すれば得?
いいえ。司会者が当たりを知らずに無作為に開けた場合や、特定のときだけ変更を勧める場合には、その行動も含めて計算し直す必要があります。日常の二択にそのまま当てはめるより、「情報はどんな手順で与えられたのか」を確かめる視点を持ち帰りたい問題です。
「身近な数学の雑学」連載
身近な疑問を1つずつ、具体例と計算で楽しむ連載です。公開済みの連載記事はこちら。



